40年以上竹を研究している日下(くさか)先生に竹について聞いてみました!
坂井:今日はどうぞよろしくお願いします。 まずは、先生が研究なされている竹に関することですが、
人間と成長ホルモンが似てるっていうような感じで考えた方がいいんでしょうか? また、バンブリアンの化学的根拠などお聞かせ願えますでしょうか?
日下先生:そうですね。 まだ完全に解明されているわけでは有りませんが、
まず一つがジベレリンという我々の身体の役に立つホルモン。このホルモンは、人の細胞が細胞分裂により新しくなるとき遺伝子地図に則す(そくす)ように促す働きがあるようです。
このホルモンを体の中に入れることが非常に良いのです。
坂井:日下先生が、なぜ、竹に注目したのかを教えていただいてよろしいですか。
日下先生:そもそも私が江戸時代の経済を勉強したいなって思ったのがきっかけなんですよ。
江戸時代の経済は、デフレ経済なんですよね。
でね、江戸時代のデフレ経済を勉強したいってなって。
ある時に、竹っていうのが出てきたんですよね。
竹は節と節の間に水があれば、やかんとか鍋のように使うことができるんです。
その節と節の間に水を入れ、沸かした物を竹茶っていうんですが、その竹茶を飲んでる頃は、無医村でも誰も不自由しなかったという話があったんですよ。
それで、いろいろと成分を調べて行くと、遺伝子地図に忠実に細胞分裂をするように促すジベレリンだとか、
還元力のあるアブシジン酸とかね、あるいは、もの凄い成長力をもたらすオーキシンにたどりついて。
オーキシンだけだと成長したままになるから、アブシジン酸によって成長が阻害される。
その後、オーキシンが機能を失うと、同時に、生産された物質やトリプトファンを我々が摂取し、
太陽の光を浴びることによって、摂取した物質が体内で心身に心地よい影響を与えるセロトニンに変わるんですよ。
それとこの、アブシジン酸は、竹の成長を完全に止める程もの凄い物質なんです。
実際には竹の子の時には、ザントキシンっていうホルモンで存在しているんですけれども、
それが太陽の光を受けることによって、アブシジン酸に変わるんですね。
そのときに、竹の成長が止まるんです。それで、孟宗竹の場合は節が72節出るんですよ。
それの最後に、竹の子の皮が、伸び終わった所で、成長点がちょんって出て、
その時に太陽の光を受けると成長が止まるんですよ。
なので、孟宗竹でアブシジン酸が使用されるのは成長点と枝の先端だけなのです。
私は、なぜ止まるのだろうということに、一つの興味があって、若返るんじゃないかと思ったのですよ。
それで、いろんな人達に実験してもらったんですよ。
その結果、孟宗竹に備わった還元力には先ほど説明した制御装置と誘導装置が付いているということが判ったのです。
坂井:なるほど。では次にお聞きしたいのですが、竹のエキスっていうのは、竹をどうするような感じなんでしょうか。
日下先生:要するに、砕いて、適当な長さに切って、長時間煮るわけね。
坂井:どれくらいの時間するんでしょうか。
日下先生:最初のうちは 100 ℃ぐらいで5時間くらいやってたんですよ。
それ以上温度が高くなると問題があるんで、加熱釜は使えないよね。ただ、あんまり温度が低いと今度は逆に駄目なので、だいたい 95 ℃からね 101 ℃の間までだね。
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