8月…「精霊を迎えるお盆」
お盆は正式には孟蘭盆会(うらぼんえ・梵語でウランバナ)といい、祖先の霊を祭る仏教行事です。元々は 旧暦の7月15日を中心としたものですが、現在は月遅れにあたる8月15日が一般的です。
13日は家庭で、盆棚を作って、盆花、初物の果物や野菜、馬や牛を模したキュウリや茄子などを供え、夕方に おがらを燃やして霊を招く迎え火をします。家や墓を清め、花や灯明をあげて迎えます。16日の夕方に精霊 を送る送り火をし、盆棚の供え物を川や海に流します。
盆棚にお供えし、家族もいただく精進料理の「精進」とは、仏道修行に努めること。肉類などの美食を避け、 野菜・山菜・穀類などを中心にした粗食を食することも修行のーつと考え、「殺生をせずに心身を清める」と いう意味もあります。 日本の伝統食には、おいしく身体によいものを四季に合わせて取り入れるよう工夫された、先人の知恵が 隠されています。日々の食事に取り入れたい献立をご紹介します。
お盆にいただく伝統食 ~乾物を使って~ (レシピ&画像:正食協会「正食協会 基礎の基礎」より)
●切干大根と高野豆腐の煮付け
切干大根と高野豆腐、人参のやさしい甘みが身体をいたわります。
材料(4人分) 切干大根…40g、人参…30g、高野豆腐(薄型)… 2枚、 ごま油…小さじ1、水・塩・醤油…適量
作り方 1)切干大根をさっと洗ってひたひたの水に5分ほど浸し、ザルにあげて水をきる。戻し汁は捨てずに残しておく。 2)人参は斜め細切り。高野豆腐は水をかけ、少し柔らかくして短冊切りにする。 3)(1)を縦横2~3cmに切り、温めた鍋にごま油を引いてよく妙める。切干大根の臭みが抜けて甘い匂いに変わったら、人参を加えて妙め、(1)の戻し汁と合わせて具がかぶる程度の水を加え、ふたをせず強火で煮立てる。 4)煮立ったら落としぶたをして弱火で柔らかく煮る。塩・醤油で味を調え(塩小さじ1/2弱、醤油大さじ1弱が目安)、高野豆腐を入れて煮含める。